パンツ(スラックス、トラウザース)を購入して試着室に入り、裾の長さのピンを打ってもらうとき、どの長さにしたらいいか、迷ったことはないでしょうか?
今回は、パンツ(スラックス、トラウザース)の長さをどうしたらいいか? についての記事です。
(1)パンツの長さの種類
そもそも、パンツの裾の長さは、どのようなものがあるのでしょうか?
パンツを履いた時に、どの長さのところでピンを打って裾上げをするのか、見ていきましょう。
一般的に、パンツの長さを決めるときには、かかと部分の裾の長さを基準として長さを決めていきます。
以下は、かかと部分の裾の長さを指しています。
1)パンツの裾がちょうど床に付くところ
2)床から2センチ位上のところ
3)裾の前部分(甲の部分)にクッションが入らないところ
4)アンクル丈(くるぶし丈)が見えるところ
5)クロップ丈(くるぶしよりもさらに上)のところ
パンツの長さの基準として、
3)のクッションが入らないところを基準として、
1)~2)までが長め、
3)~5)が短めということになります。
(2)パンツの長さを決めるときに注意するところ
パンツの長さを決めるときに注意するところは、どの位置を基準としてパンツを履くか? です。
具体的にお話しますと、ウエストのお腹の位置で履くのか? 腰の位置で履くのか? です。
実は、その他に、ローライズというくくりがありますが、カジュアルなデニムやカジュアルパンツなどの履き方になりますのでここでは割愛します。
で、話を戻しますと、ウエストの位置を間違えてしまうと、パンツのシルエットにも影響を与えてしまうので注意が必要です。
それはどういうことかといいますと、パンツには、股上が浅いものと深いものがあります。
例えば、スキーニーなどのパンツは股上が浅く、ワイドパンツなどは、おおよそ股上が深い場合が多いです。
股上が浅いパンツは、腰の位置、股上が深いパンツは、お腹の位置で合わせて裾上げをするとパンツを綺麗に履くことが出来ます。
パンツの合わせ方をもう少し詳しくお話しますと、腰の位置とは、ベルトをしないで、パンツを履いて下にずらしたときに、腰骨でパンツが落ちないで止まった位置です。
お腹の位置とは、ベルトをしてベルトでパンツが落ちるのを防いで止まった位置です。
あまりお腹の上の方でベルトをしてしまうとお腹辺りが窮屈になったり、お尻にパンツが食い込んでしまったりしてお尻辺りが窮屈になってしまいますので、窮屈にならないぐらいの位置です。
(3)パンツデザインの種類による長さの違い
実は、パンツの種類によって似合う長さが異なってきます。
ここでお話しするときの、パンツの種類というのは、パンツのデザイン(シルエット)や太さによる違いになります。
パンツのデザイン(シルエット)の種類
パンツのデザイン(シルエット)は、おおよそ以下の(1)~(6)の種類になります。
(1)スキニー
(2)スリム
(3)ストレート
(4)テーパード
(5)ワイド
(6)ブーツカット
などの種類があります。
(1)スキニーやスリムは文字通り細めです。
(2)スキニーが一番細く、スリムが次に細めになります。
(3)ストレートは、裾に向かって真っすぐなラインで、細めのものから(6)ワイド(太め)なものまであります。
(4)テーパードは、裾に向かって細くなるラインで、細めのものからワイドなものまであります。
(5)ブーツカットは、膝に向かってやや細めになって膝から裾に向かって広がっているものです。
(4)パンツの太さによる長さの違い
さて、パンツの長さについてですが、簡単にまとめますと、細めのパンツは短め、太めのパンツは長めにしておくと間違いないでしょう。
例えば、
(1)スキニー
(2)スリム
(3)細めのストレート
(4)細めのテーパード
(6)細めのブーツカット
などの細めのパンツは短め。
(3)ワイド(太めの)ストレート
(4)太めのテーパード
(5)太めのワイド
(6)太めのブーツカット
などの太めのパンツは長め。
という感じです。
ここで、細めのパンツについてですが、短めの長さとは具体的にどれくらいか、先ほどお伝えしましたが、もう一度見てみますと
3)裾の前部分にクッションが入らないところ
4)アンクル丈(くるぶし丈)が見えるところ
5)クロップ丈(くるぶしよりもさらに上)のところ
ということになります。
ただし、オフィスやオフィスカジュアルなど、ビジネスシーンでスーツを着る場合のパンツですと、5)のクロップ丈(くるぶしよりもさらに上)は避けたほうが無難です。
あまり丈を短くしすぎますと、カジュアル感が出てきてしまうからです。
厳格なスーツの着こなしになると、パンツ(スラックス)を履いた時、ソックスが見えないようにする、という着こなし方があるからです。
ここ数年、4)アンクル丈(くるぶし丈)がカジュアルやドレスダウンなどの着こなし方で一般的になったものの、一般的なビジネスシーンでのスーツの着こなし方としては、短めとしても、5)のクロップ丈は避けて、4)アンクル丈までに抑えて押さえておいた方がいいと思います。
でも、そうしたカジュアル感を抑えて控えめにする、というのもお勤め先の業界や会社、部署などによっても変わってきますので、一概にはいえないのですが、あまり短すぎにしないほうが、無難という事です。
また、カーゴパンツなどのカジュアルなチノパンなどを、3)裾の前がクッションが入らないところの長さにすると、ルーズ感が出ないで真面目さが出てキレイ目に履けます。
同じように、ビジネスシーンでもオフィスカジュアルなど、ラフなスタイルが許されている場合、綺麗めなチノパンなど(ジャケパンスタイルに合うチノパン)を、3)裾の前がクッションが入らないところの丈にすると綺麗めにスッキリと履くことが出来ます。
一方で、ビジネスシーンを意識した着こなし方ではなく、完全にオフスタイルのカジュアルな場合、カジュアルパンツのスキニージーンズやチノパンなどの場合、丈を長めにして履くのはありです。
スキニージーンズで裾をくたくたにした着こなし方もあります。
また、太めのジーンズやチノパンなどの裾を折り返ししてロールアップする履き方もあります。
以前、ラルフローレンが、チノパンをロールアップする着こなし方を提案していました。
次に、太めのパンツについてですが、長めの長さとは具体的に、どれくらいかも前述しました。
もう一度見てみますと、
1)パンツのかかと部分の裾がちょうど床に付くところ
2)パンツのかかと部分の裾が床から2センチ位上のところ
です。
ワイドパンツなどは、長めの丈がバランスが良くて綺麗なシルエットになります。
ただ、私の場合、ワイドパンツといえどもパンツ(スラックス)にクッション(ブレーク)が入るのが好きではないので、クッション(ブレーク)が入らない長めの長さにしています^^
この記事を書いているのは、2019年12月ですが、今年の春先からワイドパンツが新鮮に見えてきて、秋冬には、特にレディースでワイドパンツを履かれている方が多く見られるようになりました。
ワイドパンツを履かれている女性の足元を見ると、やはり、長めにされていて、床すれすれの長さにされている方が多いです。
メンズの場合も、ワイドパンツは長めが綺麗で、カジュアルなワイドパンツを見かけるようになりました。
ただ、ビジネスシーンで(特にスーツで)ワイドパンツを履かれている方は、今のところあまり見かけません。
メンズスーツのパンツに関しては、まだまだ細めが主流にあるようです。
(5)シューズの違いによるパンツの長さ
短靴
その他に、そのパンツにどんなシューズを合わせるか? によってもパンツの長さを変えることによって、全体的なシルエットも変わってきます。
例えば、ビジネスシーンでは、一般的なストレートチップやプレーントゥなどの短靴の革靴やサイドジップやサイドゴア(チェルシーブーツ)などのショートブーツなどです。
短靴の場合は、前述したとおり、細めのパンツには短めの丈、太めのパンツは長めの丈がバランスが綺麗にとれていいと思います。
ショートブーツ
次に、ショートブーツの場合です。
デザイナーのコレクションやショップなどを参考に調べていたのですが、ショートブーツには、5)クロップ丈(くるぶしよりもさらに上)で合わせたパンツがあって、とても綺麗でした。
やや細めのブーツカットのパンツに、ブーツの筒の上部分が隠れるくらいの長さの丈にしてあります。
この、やや細めでストレート気味のかなり短めにしたブーツカットのパンツが絶妙に綺麗なシルエットで見とれてしまった^^のですが、パンツの丈は、かなり短いのですが、ブーツの筒の上部分が隠れるくらいの長さの丈でした。
もちろん、ショートブーツを履かれていても、短靴と同じように、
3)裾の前がクッションが入らない長さや、
4)アンクル丈(くるぶし丈)の長さ
でも問題ありません。
もし、ブーツも綺麗に見せるとしたら、
5)クロップ丈(くるぶしよりもさらに上)で合わせた長さのパンツにすると、
とても綺麗に見えますので、おススメです。
ここで、注意があるのですが、ショーツブーツの丈よりも短い丈の長さにしないほうがいいという点です。
カジュアルなスタイルの場合は、パンツの裾がブーツの丈に隠れていなくてもいいのですが、ビジネスシーンでスーツにショートブーツを合わせるのでしたら、ショートブーツが隠れるくらいの長さにしたほうがいいと思います。
その理由は、ブーツが隠れていないと、カジュアルに見えてしまうからです。
より短めにした方が、スタイリッシュに見えますが、パンツで少し隠れるくらいの長さになるように気を付けてみてください。