カジュアルなスタイルではそれほど制約が少ないですが、ドレススタイルになりますと、ある程度、制約が出てきます。
知らず知らずのうちに、NGなことをしてしまっているかもしれませんね。
確認の意味でも、一度ご覧になってみてください。
このページでは、一般的なNGやビジネスシーンで洋服を着るときのNGをご紹介します。
(1)コートなどに生地メーカーのタグが付けたまま
街でふとした時に目に入ってくるのが、ジャケットやコートの袖部分に生地メーカーのタグをつけたままにしていることです。
ジャケットやコートの袖部分に生地メーカーのタグがついているのは、洋服のショップなどの店頭でタグが付いているのを見かけます。
これは、この商品は、”○○の生地メーカーの商品です”ということを伝えているのです。
それと同時に、この商品を製作したメーカー、ブランド、ショップがアピールしているとも言えます。
ですので、当然名の知れた生地メーカーのタグということになります。
そして、この袖部分に付いているタグは、商品を購入するまでのものです。
商品を購入した後、実際に着るときには外しておきましょう。
生地メーカーのタグが付いたまま着ているのは、商品のプライス(値札)が付いているようなものなのです。
ただし、洋服の内側についている生地メーカーのタグは、付けたままで大丈夫です。
ジャケットやコートの内側に着けてある生地メーカーのタグは外観からは見えないようになっているからです。
(2)マフラーのメーカータグ
ついでにマフラーについても同じことが言えます。
マフラーを巻いて、メーカーのタグをわざと見せているのを見かけますが、これもジャケットやコートの袖に生地メーカーのタグが付いたまま着ているのと同じです。
マフラーの場合は、わざわざメーカーのタグをとる必要はありませんが、見せないようにしましょう。
”○○のブランドのマフラーをしています”と、マフラーのメーカーのタグを見せているのは、これ見よがしで、なんだかみっともないというか、恥ずかしいです。
メーカーのタグを見えるようにするのは、見せびらかしている感が出て恥ずかしいことですので、見えないようにしましょう。
例えば、バーバリチェックのマフラーなどは有名ですが、メーカーのタグが付いていなくても、分かる人は、見ればすぐに分かるものです。
(3)コートやジャケットの仕付け糸が付いたまま
洋服の販売をしていた立場からお伝えしますと、コートやジャケットの仕付け糸は商品を購入されて着るときには取り除くものです。
購入されたときは、ご自宅に届くまでにコートやジャケットのベンツなどに仕付け糸があることでしわにならず、綺麗な状態で持ち運びが出来ます。
もちろん、商品が購入されるまでは、商品を綺麗に保たなければいけませんので、仕付け糸は付いている状態になります。
そして、商品が購入されたときに、”仕付け糸は取りますか?”とまではなかなかお伝えしません。
もちろん、お客様が、「すぐに着たいので取っておいて」と申されれば、仕付け糸を取ってお渡しします。
これは、コートやジャケットなどの袖部分についている生地メーカーのタグについても同じことが言えます。
ご自宅にお持ち帰りになって、着るときには取っておいてください、とまでわざわざお伝えしません。
いわば、常識という感じです。
商品を購入した後に、プライス(値札)は取りますよね?
「生地メーカーのタグ」も「仕付け糸」もそれと同じです。
(4)ポケットに物を入れない
よく、スマホやお財布などジャケットの内ポケットや外ポケット、パンツのポケットに入れている人を見かけますが、NGです。
ポケット=物を入れるもの
ではありません。
どうしてかといいますと、ポケットに物を入れると膨らんでしまうため、シルエットが崩れてしまうからです。
シルエットが崩れると綺麗でなくなってしまいます。
せっかく、ジャストサイズの洋服を着ていたとしても綺麗でなくなってしまうので、勿体ないです。
ポケットに物を入れるとしても、厚みの無いものにして、膨らまないようにしましょう。
(5)スーツのボタンを全部留めている
ジャケットやスーツの上着などにボタンが付いていますが、全てのボタンを留めている方を見かけます。
私が今でもはっきり覚えているのが、ある百貨店の紳士服売り場のマネージャーさんが閉店間際にお客様を見送る時にスーツの上着のボタンをすべて留めていたことです。
ボタンを全て留めていると、確かに、真面目そうに見えたり、きちんとしているように見えます。
でも、洋服のマナーとしては、ボタンが付いているからといって、全部のボタンを留めるわけではありません。
この時、「このマネージャーさんは、洋服を知らないのでは?」と思ってしまいました。
洋服を知っている人は、全てのボタンを留めるようなことはしないものだからです。
でも、もしかしたら、マネージャーさんは、真面目そうに見えて、きちんとしている感を出したかったのかもしれません。
ただ、こういった些細なことで、洋服を知っているか知らないかがすぐに悟られてしまったり、誤解されてしまうので怖いですね。
全てのボタンを留めるわけではない、ということはどういうことなのかといいますと
一番下のボタンは留めないという事です。
ジャケットやスーツの一番下のボタンを留めないのは、「アンボタンマナー」に基づいています。
それは、(特にシングルスーツは)初めから一番下のボタンを留めないのを前提として洋服が作られているのです。
その作りは、一番下のボタンは、上のボタンよりも外側に付けられています。
ですので、一番下のボタンを留めてしまうと、ジャケットやスーツの上着にしわが出てしまい、ストライプやチェックなどの柄の生地の場合、綺麗に柄が映りません。
ここからは余談ですが、1920年代頃までは、一番下のボタンを留めるのは普通にあったようです。
ただし、当時のスーツのデザインと現代のスーツのデザインの違いがあって、当時のスーツのデザインは一番下のボタンを留めても窮屈にならないで問題のないようになっていました。
また、1960年代にもボタンを全て留める流行っていたそうです。
アメリカの第35代大統領ジョン・F・ケネディが、スーツを着た時に一番下のボタンを留めないと、お腹からシャツが見えるのを嫌って、一番下のボタンを留めるのを前提にスーツをオーダーしていたそうなのです。
1960年代の流行もジョン・F・ケネディの影響があるかもしれませんね。
ただし、前述したように現代のスーツでは、一番下のボタンは留めないようにしましょう。
(6)靴がボロボロ
ビジネスでドレスシューズ(革靴)を履くと思いますが、よく見かけるのは、靴がボロボロ状態になっていることです。
これもNGです。
革靴の表面が剥げていたり、こすれて傷だらけだったり、色が抜けるほどカサカサに乾燥している状態です。
一日の仕事を終えて、やっと家に着いた後、なかなか靴のことまで気が回らないかもしれません。
でも、一日中履いた靴を脱ぎっぱなしにしてそのままにしておくと、革靴のコンディションが保たれず、ダメージが蓄積されてしまいます。
革靴は、あまりメンテナンスをしなくても、実際は履くことが出来ますが、当然、コンディションは悪くなってしまいます。 実は、それほど手間をかけなくても、日頃のちょっとした事で靴のコンディションを保つことが出来ます。
通常であれば、ブラッシングをして汚れやほこりを取り除き、シューキーパーを入れておくだけです。
シューキーパーを入れておくと、靴の中の湿気を取り除いて形が崩れるのを防いでくれます。
洋服で言えば、脱いだスーツの上着をハンガーにかけるのと一緒ですね。
こうしたちょっとした手間でコンディションを整えてくれるので習慣づけるようにしましょう。
靴がボロボロだと、スーツスタイルも台無しです。
特に、明るめの茶系の靴は目立ちますので気を付けましょう。