パンツ丈(メンズ)の目安って知っていますか?

あなたはパンツの長さはどうすればいいか知っていますか?

2025年10月1日

パンツ(スラックス、トラウザース)を購入して試着室に入り、裾の長さのピンを打ってもらうとき、丈の長さはどうしたらいいか、迷ったことはないでしょうか?

人によって、パンツ丈の好みがあると思います。

一般的に”足を長く見せたいから”、パンツ丈を長めにする人もいらっしゃると思います。

でも、そのパンツ丈の長さって正解なのでしょうか?

実は、パンツ丈の長さには、目安があるのです。

今回は、パンツ丈(メンズの場合)の長さはどうしたらいいのか? パンツ丈の目安についての記事です。

目次

(1)パンツ丈の種類

そもそも、パンツ丈の長さは、どのようなものがあるのでしょうか?

パンツを履いた時に、どの長さのところでピンを打って裾上げをするのが良いのか見ていきましょう。

一般的に、パンツの長さを決めるときには、かかと部分の裾の長さを基準として、裾上げの長さを決めていきます。

以下は、かかと部分の裾の長さを指しています。

 

パンツ丈の裾上げのパターンは、以下の5種類が目安になります。

1)パンツの裾がちょうど床に付くところ

2)床から2センチ位上のところ

3)裾の前部分(甲の部分)にクッションが入らないところ

4)アンクル丈(くるぶし丈)が見えるところ

5)クロップ丈(くるぶしよりもさらに上)のところ

パンツの長さの基準として、

3)のクッションが入らないところを基準として、

1)~2)までが長め、
3)~5)が短めということになります。


(2)パンツの長さを決めるときにウエストに位置に注意する

パンツの長さを決めるときに注意するところは、どの位置を基準としてパンツを履くか? です。


具体的にお話しますと、ウエストのお腹の位置で履くのか?  腰の位置で履くのか?  です。

ウエストの位置でスラックスの長さを合わせるのか、腰の位置で合わせるのかによって、パンツの長さが変わってきます。

良くありがちなのは、”足を長く見せたいから”パンツ(スラックス)を長めに採寸してもらおうとしてパンツをウエストの高い位置にあわせてしまうパターンです。

このように長めにしてしまうと、実際にパンツ(スラックス)を履いた時に長くなってしまうことがあります。

ウエストの位置は、普段と同じ位置になるようにベルトなどを通して無理をせずに落ち着く位置で合わせるようにしましょう。


また、その他のパンツのウエスト位置の合わせ方で、ローライズという合わせ方がありますが、カジュアルなデニムなどのパンツの履き方になりますのでここでは割愛します。


で、話を戻しますと、ウエストの位置を間違えてしまうと、パンツのシルエットにも影響を与えてしまうので注意が必要です。


それはどういうことかといいますと、パンツには、股上が浅いものと深いものがあります。


例えば、スキーニーなどのパンツは股上が浅く、ワイドパンツなどは、おおよそ股上が深い場合が多いです。


股上が浅いパンツは、腰の位置(ウエストの低い位置)、股上が深いパンツは、お腹の位置(ウエストの高い位置)で合わせて裾上げをするとパンツを綺麗に履くことが出来ます。


パンツの合わせ方をもう少し詳しくお話しますと、腰の位置(ウエストの低い位置)とは、ベルトをしないで、パンツを履いて下にずらしたときに、腰骨でパンツが落ちないで止まった位置です。

お腹の位置(ウエストの高い位置)とは、ベルトをしてベルトでパンツが落ちるのを防いで止まった位置です。


あまりにもお腹の上の方(ウエストの高い位置)でベルトをしてしまうとお腹辺りが窮屈になったり、お尻にパンツが食い込んでしまったりしてお尻辺りが窮屈になってしまいますので、お腹辺りが窮屈にならないぐらいの位置に合わせるようにしましょう。

(3)パンツデザインの種類による長さの違い

実は、パンツの種類によって似合う長さが異なってきます。


ここでお話しするときの、パンツの種類というのは、パンツのデザイン(シルエット)や太さによる違いになります。


  パンツのデザイン(シルエット)の種類

パンツのデザイン(シルエット)は、おおよそ以下の(1)~(6)の種類になります。

(1)スキニー

(2)スリム

(3)ストレート

(4)テーパード

(5)ワイド

(6)ブーツカット


などの種類があります。

パンツのデザイン(シルエット)と太さの関係


(1)スキニーやスリムは文字通り細めです。

(2)スキニーが一番細く、スリムが次に細めになります。

(3)ストレートは、裾に向かって真っすぐなラインで、細めのものから(6)ワイド(太め)なものまであります。

(4)テーパードは、裾に向かって細くなるラインで、細めのものからワイドなものまであります。

(5)ブーツカットは、膝に向かってやや細めになって膝から裾に向かって広がっているものです。

(4)パンツの太さによる丈の違い

さて、パンツの長さについてですが、簡単にまとめますと、細めのパンツは短め、太めのパンツは長めにしておくと間違いないでしょう。

細目のパンツの丈は短め

太目のパンツの丈は長め

細めのパンツの丈は短めにする


例えば、

(1)スキニー

(2)スリム

(3)細めのストレート

(4)細めのテーパード

(6)細めのブーツカット

などの細めのパンツは短め。

 

(3)ワイド(太めの)ストレート

(4)太めのテーパード

(5)太めのワイド

(6)太めのブーツカット

などの太めのパンツは長め。


という感じです。

 

ここで、細めのパンツについてですが、短めの丈の長さとは具体的にどれくらいか、先ほどお伝えしましたが、もう一度見てみますと


3)裾の前部分にクッションが入らないところ

4)アンクル丈(くるぶし丈)が見えるところ

5)クロップ丈(くるぶしよりもさらに上)のところ


ということになります。


ただし、オフィスやオフィスカジュアルなど、ビジネスシーンでスーツを着る場合のパンツですと、5)のクロップ丈(くるぶしよりもさらに上)は避けたほうが無難です。

あまり丈を短くしすぎますと、カジュアル感が出てきてしまうからです。


厳格なスーツの着こなしになると、パンツ(スラックス)を履いた時、ソックスが見えないようにする、という着こなし方があるからです。


ここ数年、4)アンクル丈(くるぶし丈)がカジュアルやカジュアルスーツなどの着こなし方で一般的になったものの、一般的なビジネスシーンでのスーツの着こなし方としては、短めとしても、5)のクロップ丈は避けて、4)アンクル丈までに抑えて押さえておいた方がいいと思います。


でも、そうしたカジュアル感を抑えて控えめにする、というのもお勤め先の業界や会社、部署などによっても変わってきますので、一概にはいえないのですが、あまり短すぎにしないほうが、無難という事です。


また、カーゴパンツなどのカジュアルなチノパンなどを、3)裾の前がクッションが入らないところの長さにすると、ルーズ感が出ないでスッキリ感さが出てキレイ目に履けます。


同じように、ビジネスシーンでもオフィスカジュアルなど、ラフなスタイルが許されている場合、綺麗めなチノパンなど(ジャケパンスタイルに合うチノパン)を、3)裾の前がクッションが入らないところの丈にすると綺麗めにスッキリと履くことが出来ます。

 太目のパンツの丈は長めにする

もう一度見てみますと、

1)パンツのかかと部分の裾がちょうど床に付くところ

2)パンツのかかと部分の裾が床から2センチ位上のところ

です。

ワイドパンツなどは、長めの丈がバランスが良くて綺麗なシルエットになります。


ただ、私の場合、ワイドパンツといえどもパンツ(スラックス)にクッション(ブレーク)が入るのが好きではないので、クッション(ブレーク)が入らない長めの長さにしています^^


この記事を書いているのは、2019年12月ですが、今年の春先からワイドパンツが新鮮に見えてきて、秋冬には、特にレディースでワイドパンツを履かれている方が多く見られるようになりました。


ワイドパンツを履かれている女性の足元を見ると、やはり、長めにされていて、床すれすれの長さにされている方が多いです。

メンズの場合も、ワイドパンツは長めが綺麗で、カジュアルなワイドパンツを見かけるようになりました。


ただ、ビジネスシーンで(特にスーツで)ワイドパンツを履かれている方は、今のところあまり見かけません。



メンズスーツのパンツに関しては、まだまだ細めが主流にあるようです。

(5)シューズの違いによるパンツの長さ


  短靴

短靴

その他に、そのパンツにどんなシューズを合わせるか?  によってもパンツの長さを変えることによって、全体的なシルエットも変わってきます。


例えば、ビジネスシーンでは、一般的なストレートチップやプレーントゥなどの短靴の革靴やサイドジップやサイドゴア(チェルシーブーツ)などのショートブーツなどです。


短靴の場合は、前述したとおり、細めのパンツには短めの丈、太めのパンツは長めの丈がバランスが綺麗にとれていいと思います。


  ショートブーツ


次に、ショートブーツの場合です。

ショートブーツ

デザイナーのコレクションやショップなどを参考に調べていたのですが、ショートブーツには、5)クロップ丈(くるぶしよりもさらに上)で合わせたパンツがあって、とても綺麗でした。


やや細めのブーツカットのパンツに、ブーツの筒の上部分が隠れるくらいの長さの丈にしてあります。


この、やや細めでストレート気味のかなり短めにしたブーツカットのパンツが絶妙に綺麗なシルエットで見とれてしまった^^のですが、パンツの丈は、かなり短く、ブーツの筒の上部分が隠れるくらいの長さの丈でした。


もちろん、ショートブーツを履かれていても、短靴と同じように、
3)裾の前がクッションが入らない長さや、
4)アンクル丈(くるぶし丈)の長さ
でも問題ありません。

もし、ブーツも綺麗に見せるとしたら、
5)クロップ丈(くるぶしよりもさらに上)で合わせた長さのパンツにすると、
とても綺麗に見えますので、おススメです。


ここで、注意があるのですが、ショーツブーツの丈よりも短い丈の長さにしないほうがいいという点です。


カジュアルなスタイルの場合は、パンツの裾がブーツの丈に隠れていなくてもいいのですが、ビジネスシーンでスーツにショートブーツを合わせるのでしたら、ショートブーツが隠れるくらいの長さにしたほうがいいと思います。


その理由は、ブーツの筒部分が隠れていないと、カジュアルに見えてしまうからです。


より短めにした方が、スタイリッシュに見えますが、パンツで少し隠れるくらいの長さになるように気を付けてみてください。

Q&A よくある質問:パンツ丈について

Q1:パンツ丈を少し長めにしても大丈夫ですか?

はい、多少長めにしても問題ないことが多いです。

ただし、長すぎると“だらしない印象”になってしまうリスクがあります。

長めのパンツ丈だと裾が靴にかぶってクッション(ブレーク)が深く入ることがあり、足元がくどく見えることもあります。

逆に、パンツ丈がちょうど「裾の前部分にクッションが入らないところ」あたり、またはごく軽いブレークが入る程度に調整すると、全体のバランスがすっきり見えます。

Q2:アンクル丈(くるぶし丈)はどのシーンで使いやすいですか?

アンクル丈は、カジュアルやドレスダウンした着こなしに非常に合いやすい丈感です。

ただし、一般のビジネスシーン(特にフォーマルな場や格式のある職場)では、足首が見えすぎるとカジュアルすぎる印象を与えることもあるため注意が必要です。

オフィスカジュアル程度まで許容できる環境なら、アンクル丈を上手に使うことで軽やかで現代的なムードを出すことができます。

Q3:パンツ丈を直すときに店員さんに伝えるポイントは?

裾上げをお願いするときは、次のポイントを伝えるとイメージに近づきやすくなります。

・「裾の前部分にクッションが入らないくらい」か「軽くクッションを感じる程度」かを伝える

・どの靴と合わせるか(例:短靴、ローファー、スニーカー等)を伝える

・パンツのシルエット(極細/ストレート/ワイドなど)と全体のバランス感も一言伝えると親切です

こうした情報を事前に伝えておくと、仕上がりが思い通りになりやすくなります。

Q4:裾の折り返し(ロールアップ)を前提に丈を少し長めにしてもいいでしょうか?

はい、カジュアルスタイルで裾をロールアップ(カフする)することを前提にするなら、少し余裕を持たせた丈もありです。

ただし、その場合も長すぎるとロールアップしても裾がもたついたり、足元が重たく見えたりする可能性があります。

また、ロールアップにすると見えるソックスや裾処理(ステッチ・始末)なども気をつけたい部分です。

Q5:足の長さに自信がないのですが、パンツ丈で少しでも脚長に見せるコツはありますか?

はい、パンツ丈で脚長効果を引き出すコツもあります。

・裾が少しだけクッションを持つ長さにすることで脚を長く見せる効果が出やすいです

・靴とパンツの色味を近づけることで、足元に“つなぎ”ができて脚線が伸びて見やすくなります

・テーパードやストレートのシルエットを選び、裾が絞られていると視線が下に自然に誘導され、脚長感が出やすいです

まとめ

パンツ丈は見た目の印象を大きく左右するポイントです。

細めのパンツなら短め~標準くらい、太めのパンツならやや長めがバランスよく見えるという基本ルールがあります(記事内でも解説したように)。

ただ、ビジネス・カジュアル・フォーマルなど、シーンに応じた調整が不可欠です。

たとえば、フォーマルな場ではソックスが見えないくらいの長さを意識したほうがきちんと感が出ますし、カジュアル寄りならアンクル丈やロールアップで足首を見せるのもおしゃれです。

また、裾上げをお願いする際は「裾の前部分にクッションが入らない程度」「どの靴と合わせるか」「パンツのシルエット」などを伝えることで満足度の高い仕上がりになります。

脚長に見せたいなら、裾の長さ・シルエット・靴との色合わせなど、小さな調整が効きます。

結局のところ、パンツ丈は「絶対の正解」があるわけではなく、自分の体型・靴・スタイル・TPOを踏まえて選ぶことが大事です。

本記事で紹介した基準やQ&Aもヒントに、ぜひ自分にぴったりの丈感を見つけてくださいね。